ブラック企業ができる原因は?
消費者がより安いものを望んでいる。
2012年4月に起こった高速ツアーバス死傷者事故の原因は、2日で1000㎞以上走行した一人の運転手の過労が原因でした。
会社と社長が労働基準法違反で書類送検されました。
背景には、
低価格の旅行ツアーが流行るのも、
居酒屋チェーンが朝まで長時間営業しているのも
私たち消費者が求めているからです。
「需要」があるから「供給」が生まれるわけで、その逆はありません。
消費者が「安さ」を過剰に求めた結果、「安全」が疎かになった事故でした。
従業員に過重労働を強いる「ブラック企業」を生み出している原因は、当然、経営陣の責任でもあります。
しかし、私たち「消費者」にも一因はあるというのが著者の見解です。
・格安の居酒屋さんで、ビールが少し出すのが遅れた位で怒り散らす横柄なお客
・電車が遅延した時に駅員に暴言をはく人
「ブラック消費者」が増えているのが、「ブラック企業」が増えている原因の1つでもあります。
横柄な客に叱られた居酒屋の店員が帰る途中の電車が遅延したことに対して、ここぞとばかり駅員に不満をぶつける。
今、上記のような自分のストレスを他人にストレスをぶつける「ブラックスパイラル」が日本に蔓延し、消費者も生産者(提供者)も疲弊しつつある状態でもあります。
経済は「互恵関係」
まわりとの関係で私たちは生かし生かされているのだと認識することが、
経済を理解するうえでもっとも重要なことです。
経済が「互恵関係」で成り立っているとイメージすることができれば、
商品はサービス、ビスネスや投資に対する意識もかわってきます。
豊かな経済社会では、お客様は「上」、店員は「下」という上下関係は存在しない。
私たちが「良い消費者」になることが、
「ブラックスパイラル」から抜け出すポイントであると…
過剰なサービスや安さを強く追求する「ブラックス消費者」になるのではなく
「良い消費者」になることが、より豊かな経済が成り立つ国となります。
「ありがとう」のチップ
では、「良い消費者」になるには…
コンビニでアルバイトしている学生が
「お客様から『ありがとう』と言われると、自分でも信じられないくらい嬉しくなるし、やる気も出てくる」と言っていました。
そうすると「もっとお客様に満足してもらうためには何をすべきか?」など考えるようになります。
「ブラック消費者」が「ブラック生産者」を生み出すのと180度逆の「グッドスパイラル」が生まれます。
自分たちの社会を幸せにするかどうかは、大部分は私たちの行動によるのです。
「ありがとう」と言えば「ありがとう」で返ってくるし、「怒り」は「怒り」で返ってきます。
まず、私たちができることは、
「良い消費者」として、サービスをうけたり、何か購入した場合には
「ありがとう」のチップを渡すことだということです。
是非、心掛けたいと感じました。
藤野英人氏の著作「投資家が「お金」よりも大切にしていること」より一部引用
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